Nature ハイライト

構造生物学:GABAA受容体の構造

Nature 512, 7514

ヒトGABAA受容体のX線結晶構造が、P MillerとR Aricescuにより初めて報告された。この受容体は、五量体のリガンド依存性イオンチャネルであり、脳で速い抑制性シナプス伝達の主要なメディエーターとして働いている。受容体の全体構造は他のCys(システイン)ループ型受容体と似ているが、多糖の広がった鞘が存在して、これが他のシナプス性タンパク質との相互作用を制限していることなど、いくつかの独自の特徴も見られる。著者たちは、特定の変異と疾病とを結び付けると考えられる仕組みについて論じている。また今回の構造はGABAA受容体のアゴニストであるベンズアミジンの存在下で得られたものなので、新たな治療薬の設計に役立つことが期待される。

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