Nature ハイライト

核物理学:ゼロ知識による核安全保証

Nature 510, 7506

将来の核兵器削減交渉は、理想的には核弾頭の直接査察を伴うものになるだろう。だがこの過程では、査察官に対して、提出された核兵器の信憑性は確信させるが、設計に関する情報は与えないようにしなくてはならない。この難問はこれまで、複雑な自動化された情報障壁を使って部分的にしか取り組まれておらず、当事者双方からの多大なる信頼に頼ってきた。A Glaser、B BarakおよびR Goldstonは今回、核弾頭の信憑性を決定する「ゼロ知識」の中性子画像化法を開発した。核弾頭の中性子ラジオグラフィー画像は高度な機密情報を含んでいるが、この新しいプロトコルでは、データを通常のやり方では処理せず、申告されたターゲットデバイスのラジオグラフの「ネガ」をあらかじめ備えた検出器を使って記録する。その結果得られた比較から、中性子の透過率と放出率の示差測定が行われ、代表的な試験対象物から重金属が少量移動・置換されたことが検出できる。

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