Nature ハイライト

遺伝学:酵母で遺伝子のばらつきをマッピングする

Nature 506, 7489

多くのDNA変異は、1つあるいは複数の遺伝子の発現レベルを変えることにより表現型に影響を及ぼしており、そのため発現量的形質遺伝子座(eQTL)のマッピングに現在関心が集まっている。現在使われている手法では、RNA量またはタンパク質量のどちらかに焦点を合わせているが、今回、その限界を克服するために考案されたeQTLマッピングの新しい手法が報告された。この新しい手法では出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)でGFP(緑色蛍光タンパク質)タグを使って単一細胞のタンパク質量を測定する。次いで、プールされた塩基配列を用いて、タンパク質量の高い個体と低い個体の合わせて数千個体について、ゲノム全体で対立遺伝子頻度の比較を行う。著者たちは、特定の遺伝子ではmRNAが影響する遺伝子座とタンパク質量に影響する遺伝子座の間に密接な相関が見られることを報告し、また複数のタンパク質に影響を及ぼすホットスポットの位置を明らかにしている。こうしたホットスポットは遺伝子調節ネットワークに重要な影響を与えている。

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