Nature ハイライト

免疫:もう1つのAIDS治療法

Nature 505, 7484

CD4 T細胞は、ウイルスが認識するCD4抗原を持つヘルパーT細胞で、AIDS発症の根本に関わっている。今回、W GreeneたちはHIV感染の間に静止期リンパ系CD4 T細胞の数が大幅に減少する機序を明らかにした。自然なリンパ系環境を保持するヒトリンパ組織のex vivo培養系を使って、ウイルスの不稔複製がカスパーゼ-1を介したピロトーシスを誘導し、これが細胞死の原因となることが分かった。臨床試験で安全性が示されているカスパーゼ-1阻害剤はin vitroで細胞死を防止できた。この結果は、ウイルスではなく、宿主の方を標的とする新たな種類の「抗AIDS」治療薬の可能性を示唆している。

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