Nature ハイライト

考古:石器は語る

Nature 441, 7093

「ホビット」という愛称で広く知られるようになった小型人類、ホモ・フロレシエンシス( Homo floresiensis )の脳はあまりに小さいため、石器製作の能力についてはずっと疑問視されてきた。そのため、インドネシアのフローレス島西部にあるリアンブア洞窟でホモ・フロレシエンシスと共に見つかった石器群は、現生人類が作ったものではないかと主張されている。今回、フローレス島中部のMata Mengeで出土した84万年前の石器群が新たに調べられ、ホモ・サピエンス出現のはるか以前に、石器を製作する人類がこの地域に移住していたことが示された。これらの石器はリアンブアで見つかったもっと新しい年代の石器群によく似ており、石器群の連続性や、ホモ・フロレシエンシスが石器製作能力をもっていた可能性が示唆される。

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