Nature ハイライト

Cover Story:夢から現実へ:スプートニク打ち上げ50周年

Nature 449, 7162

この10月4日で、「宇宙開発競争」が始まってからちょうど50年になる。ソビエト連邦が、初の人工衛星スプートニク1号を軌道に乗せ、世界に衝撃を与えたのは、1957年のこの日のことだった。当時、ソ連邦の科学技術の水準は高く維持されていた。表紙は、ボルシェビキ革命42周年と栄光の絶頂にあった宇宙開発計画をたたえる1959年のポスターである。しかし、50年の歳月が流れ、ソ連邦は消滅し、かの古き大国の中枢では、物事があまり楽観的には進んでいないようである。科学面の生産性は、今やほとんどの分野で低迷している。今週号では、ロシアの科学技術の現状について、3本のNews Featureが例証している。300年の歴史をもつロシア科学アカデミーは、この国の科学技術を底上げする努力の中心となるだろう。だが、それにはまず大幅な近代化が必要だ。しかし、一体、それを仕切るのは誰なのか。Q Schiermeierが、ロシア科学技術政策中枢部での権力闘争について報告している(p.524)。方向性を見定めることは必要だが、そもそもの問題は何なのか。ロシアに暮らし、研究に従事している科学者9人が、それぞれの個人的見解を述べている(p.528)。もちろん、サクセスストーリーも存在する。A Abbottは、変異マウスを使って、実験室のケージの中とは異なる実世界の難問に直面させたときの行動に関する一連の研究について報告している(p.532)。

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