Nature ハイライト

気候:南太平洋上の嵐雲

Nature 488, 7411

南太平洋収束帯(SPCZ)は、太平洋に広がっている、降水量の多い広大な領域である。強いエルニーニョ現象が起きると、SPCZは北方に移動して、圧縮されて経度方向に伸びる傾向がある。これが帯状のSPCZ現象と呼ばれる状態である。W Caiたちは、大循環モデルの大規模なアーカイブを徹底的に調べ、温室効果ガスの増加によって赤道太平洋の温暖化が強まると予測されることを見いだした。さらに、エルニーニョ現象の将来については大循環モデルの結果はモデル間で一致していないが、この温暖化によって帯状のSPCZの頻度が増加する。帯状のSPCZの頻度の増加によって、南太平洋全体にわたって極端な気象現象がより頻繁に起こることになると考えられる。

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