Nature ハイライト

医学: 自閉症にかかわるシナプス異常

Nature 486, 7402

ProSAP/Shank足場タンパク質は、興奮性シナプスのシナプス後膜肥厚部分に存在する複合タンパク質装置の一部で、いくつかの型の自閉症との遺伝学的関連が認められている。T Boeckersのグループは、Shank2ノックアウトマウスを作製した。このマウスは非常に多動性が高く、不安や異常な社会行動の増加などの自閉症関連行動を示す。また細胞レベルではグルタミン酸作動性ニューロンの活性が増加するが、これは近縁のタンパク質Shank3を欠損するマウスで見られるのとは逆である。これらの結果は、正常なシナプス機能には、ProSAP/Shankファミリーの個々のメンバーのバランスのとれた発現が必要であることを示唆しており、細胞レベルや分子レベルでの逆の作用が同じ行動表現型につながることがあるという事実を強調している。ヒトSHANK2遺伝子の微小欠失の1つは、自閉症スペクトラム障害に関連しているが、E Kimのグループは、これと同じ変異を持つShank2変異体マウスは多動性で、社会的行動の障害などの自閉症様行動を示すことを明らかにしている。このマウスではNMDAグルタミン酸受容体(NMDAR)の機能が低下しており、NMDAR機能を薬理学的に回復してやると、その社会的行動が改善される。

2012年6月14日号の Nature ハイライト

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