Nature ハイライト

進化:鳥類の新種のカラーコード

Nature 485, 7400

体色の多型が多く見られるフクロウ科に属するヒガシアメリカオオコノハズク。写真の赤褐色のほか、灰色の個体がいる。
体色の多型が多く見られるフクロウ科に属するヒガシアメリカオオコノハズク。写真の赤褐色のほか、灰色の個体がいる。 | 拡大する

Credit : Jeff Whitlock

体色の多型を示す鳥類は何百種もあり、体色の複数の異型が同じ生息地内で安定的に共存している。この現象が高い種分化速度と関連している可能性は、理論的に示唆されている。A HugallとD Stuart-Foxはスズメ目を含む複数の鳥類群の分子系統解析を行い、種分化の高速化と体色の多型との間に関連があることや、ここでの種分化の高速化にはいくつかの生態要因と遺伝要因が関与しているが性選択は関与していないことを明らかにした。このことは、集団内での複数の体色の共存が、不完全な種分化の表れである可能性を示唆している。体色に多型のある種から新たに生じた種では体色が一様になる傾向が見られ、これによって、体色の多型がかなりまれな形質である理由が説明されると考えられる。

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