Nature ハイライト

細胞:ZNRF3タンパク質はWntシグナル伝達を抑制する

Nature 485, 7397

R-spondinタンパク質群は幹細胞増殖因子として働き、LGR4ファミリー受容体との結合を介してWntシグナル伝達を亢進する分泌型分子だが、その作用機構の詳細はまだよくわかっていない。今回、膜貫通型E3ユビキチンリガーゼZNRF3が、Wnt受容体の代謝回転を促進することで、Wntシグナル伝達の抑制因子として働くことが明らかになった。R-spondinがLGR4依存的な機構によりZNRF3を阻害することでWnt受容体の蓄積が起き、Wntシグナル伝達が増強される。がんにおけるWntシグナル伝達の重要性を考えると、ZNRF3は治療的介入の標的となる可能性がある。

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