Nature ハイライト

Cover Story:仲間の絆:狩猟採集民「ハツァ族」の文化から明らかになった現代の社会的ネットワークのルーツ

Nature 481, 7382

仲間の絆:狩猟採集民「ハツァ族」の文化から明らかになった現代の社会的ネットワークのルーツ
仲間の絆:狩猟採集民「ハツァ族」の文化から明らかになった現代の社会的ネットワークのルーツ | 拡大する

Credit : Coren Apicella

表紙は、ハツァ族の女性ChausikiとSislem (赤ん坊を背負っているほう)がngwilabeeという果実を摘んでいる様子である。タンザニア北部のハツァ族は、現代の先進社会からほぼ完全に切り離された集団で、人類学で初期的な狩猟採集民の社会を調べる際の有用なモデルとなっている。個人間の結束や協力の傾向を定量した、ハツァ族の社会的ネットワークに関する新しい研究により、推移性やホモフィリー(同族親和性)など、現代社会のネットワークに見られる主な特徴がハツァ族で認められることが明らかにされた。さらに、社会的な結束は、公共財ゲームで同レベルの贈与をする個人間のほうが強く、ハツァ族の集団では、協力の程度の差異は、グループ間で大きく、グループ内では小さかった。今回の結果をまとめると、ヒトのネットワークのこのような重要な特徴は共通の起源を持つことを示しており、人類史の早い時点でこれらが生じた可能性があることを裏付ける、これまでで最も強力な証拠を提供する。(Letter p.497; N&V p.449)

目次へ戻る

プライバシーマーク制度