Nature ハイライト

環境:アラスカのツンドラの火事による炭素の大量放出

Nature 475, 7357

2007年、アラスカのツンドラで、1,000平方キロメートルを超える面積がたった1回の火災によって焼失した。この火災により、1950年以降にこの地域で焼失した累積面積は2倍以上に増加した。M Mackたちは今回、この過程で2.1テラグラムの炭素が放出され、土壌有機物の約3分の1が焼失し、それによって永久凍土が露出して融解するおそれがあることを明らかにしている。この火災全体で放出された炭素の量は、20世紀の最後の25年間の北極ツンドラバイオーム全体の正味の年間炭素シンクに匹敵する。ツンドラの火災は気候の温暖化に伴って増加すると予測されており、原始のままだったツンドラ土壌の燃焼は、表土の炭素を大気中に移動させて高深度の永久凍土炭素の融解と分解を加速することにより、正の気候フィードバックとなる可能性がある。

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