Nature ハイライト

代謝:珪藻類では逆の役割を持つ尿素サイクル

Nature 473, 7346

海洋生態系の重要な単細胞藻類である珪藻類に、後生動物で見られるものと類似したオルニチン–尿素サイクルが存在することが、最近のゲノム解析で示唆され、意外な結果と受け止められた。それは、この尿素サイクルは、後生動物で細胞から固定窒素を排除するための重要な経路として生じた、と長く考えられてきたからである。今回、珪藻の尿素サイクルの酵素であるカルバモイルリン酸シンターゼの機能解析により、この尿素サイクルが細胞内の無機炭素および無機窒素の回収で担っている、これまで知られていなかった役割が明らかにされた。この経路は、珪藻が一時的に窒素を利用可能な状態になったときの代謝的応答に寄与していると考えられ、珪藻の増殖や海洋生産力に対する珪藻の寄与に不可欠な窒素化合物を炭素固定により生成する際に重要な役割を果たしている可能性がある。

2011年5月12日号の Nature ハイライト

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