Nature ハイライト

構造生物学:多サブユニット複合体の解明を進める

Nature 470, 7333

後期促進複合体(anaphase-promoting complex/cyclosome;APC/C)と呼ばれるタンパク質複合体は、サイズが大きいことと存在数が少ないことが組み合わさって、定量的構造研究や反応機構の研究を難しくしている。今回、この難問に挑戦した研究グループの論文が2つ発表された。Schreiberたちは、APC/C複合体全体を再構成し、構造研究と組み合わせて、この複合体の70%に相当する擬似的な原子モデルを作った。これらの結果は、APC/C集合体中の個々のサブユニットの役割、およびサブユニットとコアクチベーターや基質、調節タンパク質との相互作用の分子レベルでの解明を助けるものとなる。da Fonsecaたちは、基質であるD-boxペプチドと結合したAPC/CCdh1の低温電子顕微鏡構造を示している。この構造から、APC/Cによる基質の認識と触媒機構に関する手がかりが得られる。

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