Nature ハイライト

細胞:α-N-メチル化酵素

Nature 466, 7310

α-N-メチル化は、タンパク質のアミノ末端残基がメチル化される、あまりみられない翻訳後修飾で、その機能はほとんど解明されていない。だが、一例だけ、つまりRanグアニンヌクレオチド交換因子RCC1については、クロマチンとの結合にこのメチル化が必要なことがわかっている。30年以上も前から、真核生物のα-N特異的メチルトランスフェラーゼが存在すると考えられてきたが、今回HeLa細胞でこれが見つかった。Schanerたちは、初めて明らかになったα-N-メチルトランスフェラーゼを、N末端RCC1メチルトランスフェラーゼと名付け、さらにNRMT認識配列を明らかにし、腫瘍抑制タンパク質SET、retinoblastoma(Rb)タンパク質などの新しいメチル化標的タンパク質をいくつか同定した。また、α-N-メチル化は、正常な二極紡錘体の形成と染色体分離にも必要なことも明らかになった。

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