Nature ハイライト

細胞:転写によらない概日リズム

Nature 469, 7331

概日時計は生理や行動のタイミングの重要な調節因子であり、真核生物に広く存在している。ほとんどの場合、概日時計の機構モデルは転写サイクルを基盤にしているが、植物やシアノバクテリアでは翻訳後調節が行われているという証拠が、最近見つかっている。今回2つの研究グループが、ヒトの赤血球と単細胞の緑藻Ostreococcus tauriでは、同調可能な振動の維持にタンパク質であるペルオキシレドキシンの酸化がかかわっていることを明らかにしている。これらのデータは時計モデルで非転写的機構が働いていることを示しており、今後、転写による概日リズム装置と転写によらない装置との間の関係を探る研究に道を開くだろう。

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