Nature ハイライト

細胞:U1の副業はmRNA前駆体の保護

Nature 468, 7324

大きなメッセンジャーRNA(mRNA)前駆体からイントロンとよばれる部分を取り除いてmRNAを作り出す、スプライシングとよばれる過程は、snRNPというタンパク質–RNA複合体の働きによって起こる。スプライシングを行う複合体であるスプライソソームにはU1、U2、U4、U5、U6 snRNPが等量ずつ含まれるが、U1 snRNPの量はスプライソソームで必要な量をはるかに上回っていることから、この「余分な」U1にはスプライシングとは無関係な機能があるのではないかと考えられていた。今回、このような機能の1つが見つかり、それには隠れたポリアデニル化部位をもつイントロンを含む一部のmRNA前駆体とU1 snRNPとの相互作用がかかわっていることがわかった。これによって、早すぎる転写終結やポリアデニル化が防止され、新生mRNA前駆体が損傷から守られる。

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