Nature ハイライト

Cover Story:特集:2011世界化学年

Nature 469, 7328

国際純正・応用化学連合とUNESCOは、2011年を「世界化学年」(International Year of Chemistry;IYC2011)と定めた。そこで、Natureも化学についての特集で新年度をスタートすることにした。化学は、多くの点で科学における中心的な領域といえ、物理学や生物学の研究者の重要な供給源でもある。CommentではG WhitesidesとJ Deutchが、学問としての化学は岐路に立っていると論じている(p.21)。彼らは、安易な継続という選択肢はあり得ず、新しい諸問題を解決するために、研究領域を選択してそれらを系統立てることに化学はもっと果敢に取り組むべきだと考えている。別の記事では、第一線で活躍する化学者10人に、自分が化学に進むきっかけとなった人物を思い出してもらい、また今後10年の優先課題を挙げてもらった(p.23)。P Ballは、化学結合という「説明のための便利な作り事」について考察している(p.26)。R van Noordenは、化学研究における勝利の一例として、過去25年間に見つかった注目すべき炭素化合物群について述べている(p.14)。フラーレンやカーボンナノチューブ、グラフェンが日常生活で普通に使われるようになるまでには、どれくらい長い時間がかかるのだろうか。またK Sandersonは、「環境にやさしい化学」運動の艱難辛苦について報告している(p.18)。

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