Nature ハイライト

脳:ドーパミンはそれ自体が報酬である

Nature 469, 7328

ヒトも動物も、中立刺激が報酬に関連付けられると容易に学習できるようになる。この学習にドーパミン放出が何らかの役割を果たしていることは知られているが、その役割がどういうものかについては異論があり、したがって薬物嗜癖などの異常で何が障害されるかについてもはっきりしていない。放出の役割は実際に報酬が与えられることの予測なのか、それとも刺激自体を報酬に結びつけているのだろうか。Flagelたちは、多世代にわたって選択的交配を繰り返し、エサ報酬と関連した中立刺激を報奨刺激と見なす傾向がより強い、あるいはより弱いラットの系統を使ってこの問題を調べた。サイクリックボルタンメトリーによりさまざまな系統でドーパミン信号が測定され、またドーパミン遮断の影響が調べられた。その結果、ドーパミンは、手がかりとなる刺激が報酬を予測していることを伝えるのではなく、動機であることを選択的に伝えているという結論が得られた。

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