Nature ハイライト

Cover Story:接着点:細胞骨格と細胞外マトリックスを連結する接着斑の構造

Nature 468, 7323

細胞外マトリックスとアクチン細胞骨格の間の物理的連結は、インテグリン受容体を介して機能する「接着斑」とよばれる細胞小器官によっている。接着斑は、細胞接着や機械感受性にかかわり、細胞の増殖と分化を制御するシグナルを仲介するので、ヒトにとって生理学的に非常に重要である。今回、この接着斑の分子構造が三次元超解像蛍光顕微鏡法を用いて決定され、タンパク質の構成と配置がナノスケールで明らかになった。それにより、接着斑は組織だった超微細構造で、インテグリンとアクチンは40 nm超のコア領域によって隔てられ、このコアは部分的に重複するタンパク質を含むタンパク質特異的な複数の層からなり、これらの層をタリンがつなぎ止めていることがわかった。薄層が重なったこの構造は3つ、あるいはそれ以上の区画に分かれていて、相互に依存しながら接着斑としての機能を果たしている。表紙のモデルは、iPALM(interferometric photoactivated localization microscopy)によって測定したタンパク質の位置を示している(Letter p.580)。

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