Nature ハイライト

物理:ミクロ世界の磁気の力

Nature 430, 6997

今週号でD Rugar たちが報告している単一電子のスピンの検出法は、原子レベルの解像度での生体分子の3次元イメージングや量子コンピューターの読み出しデバイスに新たな道を開くだろう。この技術は、MRI(磁気共鳴映像法)とスピンによって生じる力の高感度なカンチレバーによる検出を組み合わせた、MRFM(磁気共鳴力顕微鏡法)に基づいている。従来の検出技術では感度に限界があるため、MRIの解像度を1μm以下にすることは大きな難関になっている。MRIベースの顕微鏡観察では、画像内の最小の体積要素に少なくとも1兆個の核スピンを含まなくてはならないのだ。これに対して、理論上、MRFMは単一スピンレベルまで扱うのに必要な感度を備えている。今回Rugarたちは、ナノスケールの解像度で二酸化ケイ素の個々の電子スピンを検出し、これを実験的に証明した。

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