Nature ハイライト

神経:神経回路の光スイッチ

Nature 463, 7277

微生物のオプシンは光感受性のイオンチャネルだが、これが実験に使えるようになり、神経科学研究は飛躍的に進歩した。遺伝子ターゲッティングによりオプシンを導入したニューロンでは、その活動を外部から光を当てることで制御できるようになったのである。今回E Boydenたちは、新しい性質をもったオプシンを探して古細菌、細菌、植物、菌類のスクリーニングを行い、神経活動を調節するための全く新しい機序、つまり光駆動性のプロトン汲み出しという方法を見つけ出した。プロトンは、本来は神経系で電荷担体として使われることはないが、高度好塩古細菌のHalorubrum sodomense由来のアーキロドプシン3による光駆動性プロトン汲み出しは、光に反応して起こる強力な神経活動停止をもたらした。また、子嚢菌類に属するLeptosphaeria maculans由来のプロトンポンプを使えば、青色光によって神経活動を停止させることができる。これらのオプシンを使えば、行動中や疾病時の神経回路の役割の研究で、光による神経回路の遮断という方法が容易に行えるようになるだろう。

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