Nature ハイライト

細胞:線虫の長生きにはブレーキが必要

Nature 461, 7265

プロヒビチンは、広く存在する、進化的に保存されたタンパク質であり、ミトコンドリア内膜で環状の構造を形成するが、これが実際にどのような働きをしているのかはわかっていない。M Artal-SanzとN Tavernarakisは、プロヒビチンがミトコンドリア機能と脂肪代謝の制御により、線虫(Caenorhabditis elegans)の寿命を延長することを示している。だが、休眠変異体あるいは食餌制限をした線虫では、プロヒビチンは逆に寿命を短縮する。プロヒビチンは、線虫のエネルギー供給のブレーキとして働き、脂肪利用とエネルギー産生を制御することで寿命を延長するらしい。しかし、栄養が不足しているような不都合な体外条件下ではエネルギー要求が供給を超えるので、このようなブレーキが働かないほうが寿命が延びるというのだ。

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