Nature ハイライト

Cover Story:百聞は一見にしかず:顕微鏡がもたらす新たな「神わざ」

Nature 459, 7247

今週号のNews Featuresは、最近の顕微鏡技術の進歩によって開かれた、生命体をのぞく新しい「窓」についての一連の報告である(Introduction p.629, Editorial p.615)。単平面照明顕微鏡(SPIM)は、生体試料を生きたまま、光シートを使ってスキャンする技術によるもので、細胞生物学やシステム生物学で見事な成果を挙げつつある(p.630)、2番目に取り上げられているオプトフルイディクス(光流体工学)顕微鏡(OFM)は、見るのに顕微鏡が要りそうなくらい小さなものだ。そのため、どんなところにでも携行可能である(p.632)。大阪大学の超高圧電子顕微鏡(UHVEM)は、全く新規な使用法が出てくるというような新技術ではないが、その際立った能力は電子顕微鏡の限界への挑戦を可能にしている(p. 634)。誘導ラマン散乱(SRS)顕微鏡は、生細胞内のラベリングされていない分子の画像化に著しく高い能力を発揮する(p.636)。また、誘導放出制御(STED)顕微鏡は、蛍光タグの基本特性と二次光ビームを用いて、従来の光学顕微鏡の限界を超える分解能を実現している。生物学では、この非常に高い分解能をもつ顕微鏡を使う研究者の数が急増中で、順番待ちの列ができるほどだ(p.638)。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度