Nature ハイライト

遺伝:シンプルライフの遺伝子

Nature 454, 7207

センモウヒラムシは、現存する「最も単純な」自由生活動物とされることが多く、動物の初期起源をめぐる議論の主役となっている。センモウヒラムシは直径約1ミリメートルの円盤形をした板形動物で、水槽の壁に付着して生息しているところを最初に発見された。今回、センモウヒラムシ(Trichoplax adhaerens)のゲノムの塩基配列解読と解析が行われた。この動物は、刺胞動物や左右相称動物との最終共通祖先がもっていた多くの特徴をそのまま残しており、6億年以上前から存在していたと推定される。しかし同時に、この動物自身には全くみられない発生パターンや細胞種に関係した遺伝子もゲノム中に存在していることから、センモウヒラムシの生活環には、まだ見つかっていない段階が存在する可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度