Nature ハイライト

細胞:幹細胞の遺伝的制御

Nature 454, 7204

ショウジョウバエのような遺伝学的に扱いやすい動物は、幹細胞機能を制御する遺伝子ネットワークを研究するための理想的なモデルである。高島茂雄たちは、ショウジョウバエの後腸幹細胞という新しい系について報告しており、この系は幹細胞一般の特殊化と制御の研究に役に立ちそうだ。腸管細胞が老化すると、自己複製能をもつ腸管上皮幹細胞(ISC)によって作られた新しい細胞で置き換えられる。ショウジョウバエではこのISCが、腸の後腸増殖域(HPZ)と名付けた狭い区域にとどまっている。HPZでの自己複製は、Wingless(ショウジョウバエのWnt相同体)、ヘッジホッグシグナル伝達経路によって、哺乳類の腸の場合と非常によく似たやり方で制御されている。

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