Nature ハイライト

遺伝:性決定とSRY

Nature 453, 7197

Sry遺伝子は、1990年に初めてクローニングされ、変異導入研究やトランスジェニックマウスで性転換が起こることから、哺乳類のY染色体性精巣決定遺伝子であることが証明されている。それ以来、他の多くの遺伝子についても、生殖腺の初期発生や精巣と卵巣のどちらを形成するかの決定に関与していることが示されてきたが、Sry遺伝子の産物で精巣決定因子であるSRYの直接の標的だと証明されたものはなかった。今回、発生中のマウス胚での遺伝子発現パターンの研究によって、SRYがオーファン核受容体SF1と複合体を形成して、Sox9を調節するエンハンサーに結合することが明らかになった。この遺伝子の産物SOX9は、雄の発生にかかわる遺伝子の発現を制御していることが知られている。

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