Nature ハイライト 医学:動物モデルが答えを出す 2008年6月12日 Nature 453, 7197 ハンチントン病は、重度の機能障害と、致死性の神経変性が生じる疾患である。この疾患の非ヒト霊長類モデルの開発は、病態の解明と治療戦略の開発に非常に有用だろうと考えられているが、この目標に近づく大きな一歩が報告された。第1エキソンのポリグルタミンをコードしている部分が伸長したヒトハンチンチン遺伝子を発現するトランスジェニックアカゲザルは、筋の失調と舞踏病などのハンチントン病の重要な特徴を示す。この研究結果は、ハンチントン病やおそらく他の神経変性の疾患に対しても、非ヒト霊長類モデルが作製可能であることを示唆している。げっ歯類のモデルでは、ヒトのハンチントン病でみられる脳の変化や行動上の特徴を反映しない可能性があるのだ。 2008年6月12日号の Nature ハイライト 脳:fMRIの正しいイメージ 神経科学:食欲と薬物依存 物理:極低温でアンダーソン局在をみる 物性:オキシプニクタイド超伝導の最新研究 化学:ヒドロキシメチレンの短い一生 生態:雌が超音波を出すカエル 医学:動物モデルが答えを出す 医学:γ-セクレターゼモジュレーターの標的 遺伝:性決定とSRY 目次へ戻る