Nature ハイライト

物理:超絶縁体の出現

Nature 452, 7187

薄い超伝導膜に無秩序性を導入すると、小滴状の電子テクスチャーが発生する。これは常伝導マトリックス中に埋まった超伝導島構造である。この無秩序性を微調整すると、この系を超伝導体から絶縁体へと変換できる。これまで特性が評価されていなかった、物質の「超絶縁」状態がこの過程に関与することを示す実験証拠が報告された。物質の「超絶縁」状態とは、超伝導体の「鏡像」に相当する抵抗無限大の状態を指す。超伝導体から絶縁体へ転移する間に、熱活性化された伝導率をもつはっきりした伝導性状態、つまりクーパー対絶縁体が形成される。窒化チタン膜での実験により、特定の有限温度において、クーパー対絶縁体が超絶縁体になることが示された。この状態は十分強い臨界磁場によって破壊され、特定の臨界電圧で崩壊するという点で超伝導に似ている。

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