Nature ハイライト 進化:多様性の進化 2008年3月13日 Nature 452, 7184 種多様性と生態系の生産力の間には短い期間ならば正の相関があることが多くの研究で実証されているが、これらが進化的時間スケールでどのような関係性をもつかについてはほとんどわかっていない。この時間スケールの問題を解決する方法の1つは、実験モデルとして細菌を使用することである。約500世代にわたり進化している蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)の微小生態系を用いた実験で、環境の不均一性と分散により推進される適応放散によって、機能的多様性と生産力の間に正の相関が全く新たに進化し、機能的多様性も生産力も中間的な分散率の下で最大となった。これは、自然界で観察されるものに似た群集および生態系の特性の発生に、進化的多様化が中心的役割を果たすことを示唆している。 2008年3月13日号の Nature ハイライト 細胞:SATB1の標的 細胞:Clostridium difficileがとったラジカルな解決法 化学:DNAブロックで作る超分子構造 進化:ゲノミクスと進化生物学の歩み寄り 薬学:新型の駆虫薬 細胞:がん細胞の代謝とワールブルク効果 宇宙:新しい惑星の兆し 進化:多様性の進化 遺伝:メチロームのマッピング 目次へ戻る