Nature ハイライト 薬学:新型の駆虫薬 2008年3月13日 Nature 452, 7184 家畜に病原性を示す線虫を駆除する薬剤の使用は、現代の重要な家畜管理手段だが、現在利用可能な3種の駆虫薬すべてに対する多剤耐性が広がったことで、有効に機能しなくなってきている。過去25年間、市場に参入した新しい型の駆虫薬はシクロデプシペプチド系薬剤だけで、しかも適用対象は家畜ではなくネコである。今回、Kaminskyたちは、線虫に特異的に存在するアセチルコリン受容体を介して作用すると思われる新型の駆虫薬の発見について報告している。この駆虫薬はアミノアセトニトリル誘導体で、さまざまな家畜病原体に対して有効である。また、もし動物で有効なら、同じように薬剤耐性が増加しているヒトの寄生虫にも代替薬として使用できるかもしれない。 2008年3月13日号の Nature ハイライト 細胞:SATB1の標的 細胞:Clostridium difficileがとったラジカルな解決法 化学:DNAブロックで作る超分子構造 進化:ゲノミクスと進化生物学の歩み寄り 薬学:新型の駆虫薬 細胞:がん細胞の代謝とワールブルク効果 宇宙:新しい惑星の兆し 進化:多様性の進化 遺伝:メチロームのマッピング 目次へ戻る