Nature ハイライト
Cover Story:雹嵐の警告:気候変動によって雹による被害が増加する見込み
Nature 653, 8116
気候変動に伴って雹嵐による被害がどのように変化しているかを理解することは、ますます重要になっている。例えば、過去2年間には、数十億ドル相当の被害をもたらすほど猛烈な雹嵐が複数回発生した。今週号では、Q Zhangたちがこの現象を全球規模で調べた結果が報告されている。研究チームは、複数モデルの比較を通じて相互検証されたシミュレーションを用いることで、人為起源の気候変動が雹嵐にどのような影響を及ぼし得るかについての全体像を構築することができた。著者たちは、下層(地表から高度1 kmまで)における気温と湿度の上昇が、より大きな雹(直径30 mmを超えるもの)の形成を促進していて、こうした大きな雹粒の発生頻度の増加は、小さな雹粒の発生頻度の減少を上回って余りあることを見いだした。その結果、研究チームは、21世紀後半までに雹嵐による全球的な被害ポテンシャルが約40%増加すると推定している。
2026年5月28日号の Nature ハイライト
天文学:「小さな赤い点」に裸のブラックホール
反物質:反水素の超微細構造の測定
量子計測学:ダイヤモンドにおける窒素空孔中心の動的凍結
量子通信:ランダムネス増幅の検証
ロボット工学:ミツバチに学ぶ効率的なロボットナビゲーション
超伝導:Euドープ無限層ニッケル酸化物のリエントラント超伝導相
気象学:都市化の降水量への影響は一様ではない
環境社会科学:中部アフリカの野生肉消費状況
遺伝学:持続性ウイルスの量とヒト遺伝子の関連性
神経科学:神経損傷でストレス緩和を選ぶか軸索再生を選ぶかのスイッチ
植物科学:冠水時も冠水からの回復時も、頼りになるのは同じ因子
微生物学:転位性遺伝因子が腸内病原菌の適応を促進する
塩基配列解読:健康なヒト肝臓組織の遺伝子発現アトラス
医学研究:糖尿病性腎臓病の空間アトラス
グローバルヘルス:機械学習による必須医薬品の最適配分の支援
がん:アンドロゲンは脳腫瘍に対しては抑制的に働く
免疫療法:心臓病変部を標的として免疫調節による心臓回復を試みる
生物工学:DNAのメチル化状態を見分けて働くゲノム編集酵素
遺伝学:ヒトの発生における調節の文法を読み解くマルチオミクス辞書

