Nature ハイライト
Cover Story:南への旅路:全ゲノム塩基配列解読により明らかになったアメリカ先住民の拡散と多様性
Nature 653, 8113
人類が定住した世界最後の大陸はアメリカ大陸であった。現在のベーリング海峡に、最終氷期に形成された陸橋「ベーリンジア」により、アメリカ先住民の祖先は北東アジアから北米へと移動することができるようになった。北米に到達した彼らは、南へと拡散し、その過程で大きく異なる複数の環境に定住し、適応していった。しかし、この拡散については多くの疑問が残されている。その主な理由は、アメリカ先住民集団のゲノムデータが不足していることにある。今週号ではT Hünemeierたちが、28の語族を代表するラテンアメリカ8カ国の先住民集団の全ゲノム塩基配列解読データを用いて、この状況を是正している。著者たちは、これらのデータを、古代人個体および現代の集団のゲノムと組み合わせて、遺伝的多様性のパターンがどのように進化したかを調べた。その結果、南米への少なくとも3回の別個の拡散と、長期的な連続性および多様な環境への適応を示す証拠が見いだされた。表紙の画像は、このことを反映したものであり、図案化された先住民の頭飾りを通じてアメリカ先住民のゲノム多様性を表現している。色の違いは集団内での遺伝的混合を表しており、上部の3枚の羽は、南米での人類定住を形作った主要な移動の波を象徴している。
2026年5月7日号の Nature ハイライト
天文学:宇宙線の加速は電荷依存的である
量子物理学:量子渦を自在に操作する
超伝導:ひずみ下でのニッケル酸化物の構造変化
エネルギー技術:効率30%の三接合型太陽電池
電気化学:再配列エネルギーを支配する電極の電子構造
気候科学:中緯度冬季降水量の不確かな力学的応答
古生物学:肋骨呼吸の起源を示す手掛かり
進化学:南アンデスにおける農耕と移住の歴史
神経科学:哺乳類の新皮質の多層化を導いた転写因子
遺伝学:ヒト妊娠の初期から満期までの母体–胎児界面
ウイルス学:コウモリウイルスのヒト細胞への進入路が明らかに
ウイルス学:ガンマヘルペスウイルスに対する広域中和抗体
発生生物学:緊急2型骨髄造血の始動機構
がん:初期の扁平上皮腫瘍は自ら心地良い居場所を作る
がん:最初期の肺がん細胞による腫瘍許容性微小環境の構築
がん:マウスがん細胞株アトラスの開発とその利用
分子生物学:細菌でのCRISPRを介した転写活性化系
分子生物学:細胞が異なる機械刺激を選択的に感知する仕組み
生化学:植物由来キナアルカロイドの生合成経路の解明

