Nature ハイライト
Cover Story:DNAを読み解く方法:ゲノム調節領域の遺伝的バリアントの効果を予測する統合的塩基配列モデル
Nature 649, 8099
遺伝的変異は生物学的過程に影響を及ぼし、疾患を駆動し得るが、DNA塩基配列の変化がもたらす正確な影響を読み解くことは、依然として大きな課題である。これはとりわけ、変異がタンパク質配列をコードしない領域に生じる場合に当てはまり、ヒトで観察される遺伝的変異のおよそ98%が、まさにそのような領域にある。深層学習モデルは、この分野で有望さを示してきたものの、通常、こうしたモデルには、入力塩基配列長と予測解像度のトレードオフという制約があった。今週号では、Googleディープマインド社のŽ Avsecたちが、100万塩基対のDNA塩基配列を用いて広範なゲノムの特徴とバリアント効果を高精度に予測できる深層学習モデルAlphaGenomeを提示している。ヒトおよびマウスのゲノムで訓練されたAlphaGenomeは、遺伝子発現、DNAアクセシビリティー、スプライシングなどの機能に関連するゲノムシグナルを、ヒトでは5930種類、マウスでは1128種類、同時に予測することができる。研究チームは、AlphaGenomeが遺伝性疾患の原因特定を助け、合成DNAの設計を導き、ゲノムの基礎的な理解を加速させる可能性があると述べている。
2026年1月29日号の Nature ハイライト
画像化技術:電子線トモグラフィーデータセットの正確な再構成
天文学:ALMAによるz = 4.3の高温銀河団ガスの検出
天文学:z ≈ 5.7にある原始銀河団が示す急速な構造形成
集積光学:低電力の広帯域光パラメトリック増幅器
電子工学:薄くて柔軟なデジタルAIチップ
生物物理学:磁気に敏感な新しい蛍光タンパク質の開発
圧力熱量学:溶解に基づく大きなバロカロリック効果
生態学:アマゾンの森林を脅かす超熱帯化
古生態学:代謝物から古代の生態環境を知る
遺伝学:ヒトの複雑な形質の失われた遺伝率をマッピング
進化遺伝学:有胎盤哺乳類のX連鎖組換え砂漠の重要な役割
人工知能:科学研究におけるAI利用の影響
神経科学:記憶を安定化する視床皮質の転写カスケード
生理学:脊椎動物全般で確認された生殖と寿命のトレードオフ
免疫学:VEXAS症候群における変異と細胞死感受性
腫瘍生物学:乳がんの転移能と組織の栄養素利用可能性の関係
細胞生物学:ミトコンドリアへのタンパク質搬入異常を細胞が感知する仕組み
微生物学:自己のtRNAを切断するCRISPR防御系の発見
分子生物学:遺伝子発現レベルのコドン使用頻度による制御の鍵は「環状化」

