Nature ハイライト
Cover Story:多様性を映す:AIモデルの公正性とバイアスのベンチマーキングに役立つ倫理的な画像データセット
Nature 648, 8092
コンピュータービジョンは、自動運転車から顔認識まで、人工知能(AI)を用いる多くの応用において重要な役割を果たしている。しかし、AIモデルを訓練するために使われる画像データには問題があることが多く、多数のデータセットはインターネットから同意なくスクレイピングされた画像を使っており、そうした画像は一般にメタデータが不正確で、多様性も乏しい。こうした問題に対処するため、ソニーAI社のA Xiangたちは今回、同意・プライバシー・報酬・安全性・多様性・有用性に関するベストプラクティスに基づいて作成された画像データセットを提示している。FHIBE(Fair Human-Centric Image Benchmark、フィービー)と名付けられたこのデータセットには、81の異なる国・地域に由来する1981人の人物を撮影した1万318枚の画像が含まれる。FHIBEは、人口統計学的な属性から髪や肌の色に至るまで、幅広い属性について包括的に注釈付けしているため、著者たちは、AIモデルにおける公正性とバイアスを評価するのに用いることができると述べている。
2025年12月4日号の Nature ハイライト
天文学:衛星コンステレーションが宇宙望遠鏡に及ぼす脅威
素粒子物理学:全チャームテトラクォークの量子数の決定
素粒子物理学:短基線ニュートリノビームによるステライルニュートリノ探索
素粒子物理学:トリチウム原子のβ崩壊によるステライルニュートリノ探索
応用光学:AIを用いた眼鏡不要の広視野角3Dディスプレイ
太陽光発電:マトリックス中に閉じ込められた正孔輸送層
進化学:指と総排泄腔の祖先的なつながり
ゲノミクス:漢民族系集団の大規模コホート
神経科学:空腹は仔に対する攻撃性を促進する
神経科学:アストロサイトは再体験記憶の安定化に働く
神経免疫学:アミロイド斑に接触したミクログリアで起こること
微生物学:病原性大腸菌のNleLによる宿主防御回避機構
免疫学:皮膚毛細血管叢の維持には常在マクロファージが必要
メタボロミクス:組織における代謝を高空間分解能でマッピング
生物工学:未成熟終止コドンの読み過ごしが遺伝病の万能薬に
腫瘍生物学:相互的パラクリン調節による膵臓がん細胞の運命決定
分子生物学:同領域中での転写と複製の衝突を感知してゲノムを救う仕組み
構造生物学:NMDA受容体のコンダクタンスレベルを制御する
薬理学:調節因子の小さな変化でGPCRのパートナーががらっと変わる

