Nature ハイライト

Cover Story:毒ヘビへの対抗策:広範なヘビ毒に対して効果が期待される人工抗毒素

Nature 647, 8090

ブラックマンバ(<i>Dendroaspis polylepis</i>)。
ブラックマンバ(Dendroaspis polylepis)。 | 拡大する

Wolfgang Wüster

表紙は、サハラ以南アフリカに生息する数多くの猛毒ヘビの1種トウブグリーンマンバ(Dendroaspis angusticeps)の接写画像である。サハラ以南アフリカでは、毒ヘビ咬傷が深刻な健康問題となっており、毎年数千人の死者と重症者を生み出している。しかし、現在、有効な抗毒素はあるものの、それらは高価なものが多く、有害な免疫応答を引き起こし得る上、多数のヘビ毒に対しては有効性が限定的であるなどの問題を抱えている。今週号ではA Laustsenたちが、広範なヘビ毒に対して有望な人工抗毒素について報告している。この抗毒素は、ナノボディと呼ばれる小型の抗体に基づいている。研究者たちは、マンバ、コブラ、リンカルスを含むアフリカのヘビ18種の毒液をラマとアルパカに接種することで、さまざまな毒液に含まれる主要毒素を標的とする8種類のナノボディを突き止めることに成功した。彼らは、これらのナノボディを組み合わせて、試験した18種のうち17種のヘビの毒液からマウスを防御する抗毒素を作製した。

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