Nature ハイライト

宇宙:冥王星より大きかった「10番目の惑星」

Nature 439, 7076

太陽系に10番目の惑星があるという主張は、今週号に報告されている新発見によりますます支持を集めそうだ。去年夏に惑星ではないかと発表され、2003 UB313と命名されていた天体は、冥王星より大きいことがわかったのである。  2003 UB313 は冥王星と同様に、海王星の彼方の、いわゆるカイパーベルトに集まっている氷天体の1つである。UB313 は、太陽系で見つかっている最遠方の天体であり、その細長い軌道の半径は太陽・地球間の距離の97倍、冥王星の遠日点との距離のほぼ2倍にまで達しており、太陽の周りを一回りするのに冥王星の2倍の時間がかかる。UB313が太陽に最接近するには、西暦2257年まで待たねばならない。  発見されたときUB313は、冥王星の反射率を用いて計算すると、少なくとも冥王星と同程度の大きさであると考えられた。しかし、UB313の反射率がわからなかったため、その大きさは正確に推定できなかった。F Bertoldiたちは今回、UB313が放射する熱量の測定を用いることでこの問題を解決し、UB313 の大きさを決定した。放射熱量の測定と可視光観測を組み合わせれば反射率が決められるのである。そしてUB313 の直径を3,000 kmであると推定したが、この値は直径2,300 kmの冥王星より大きいことは疑いない。そうなると、UB313を惑星でないとするなら、冥王星を惑星だとすることはますます受入れにくくなる。

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