Nature ハイライト

構造生物学:かゆみとアレルギーの受容体を見る

Nature 600, 7887

かゆみを感じている時には、ヒスタミンがマスト細胞から放出されている。ヒトなどの霊長類で見られるこの反応は、Mas関連Gタンパク質受容体(MRGPR)によって仲介され、偽アレルギー反応が引き起こされる。今回J Sunたちは、一連のポリカチオン性化合物、もしくはサブスタンスPのような炎症性ペプチドと複合体を形成したMRGPRX2–Giシグナル伝達複合体の構造を報告している。この研究により、これらのかゆみ受容体の薬理学的性質と、他のGPCRとは異なる独特な活性化機構について、構造学的な知見が得られた。MRGPRX2とMRGPRX4はかゆみや一般的な薬物への過敏性副作用の標的であることが最近明らかにされており、今回の研究は、かゆみや発疹の治療薬の開発、そしてより選択性の高い薬剤の設計への道を開くものだ。

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