Nature ハイライト

生態学:植物と花粉媒介者の相互作用は希少種に有利に働く

Nature 597, 7878

多様な群集の維持では、希少種に有利に働く機構がカギとなる。植物と花粉媒介者の相互作用は、地球の生物多様性を高める極めて重要な原動力と考えられている。しかし、そうした相互作用が希少植物種の維持にどのように寄与するかについてはいまだ明らかにされていない。今回N Weiたちは、米国カリフォルニア州の蛇紋岩池(serpentine seep)の草原/低木林系において、開花期の植物と花粉媒介者の相互作用を2年連続で観察した。その結果、1種類の植物が相互作用する花粉媒介者の数は1〜77種と、植物種によって花粉媒介者のニッチ幅に著しい変動が見られることが分かった。また、希少な種は、個体数の多い種と比べてより専門化していた。適応度を探るため、同時に開花する種の柱頭に付着した310万個の花粉粒を分類学的に同定したところ、スペシャリスト植物はジェネラリスト植物と比べて、より多くの同種花粉送達と、同種花粉の誤配や異種花粉の受け取りを介した適応度低下のリスクの低さによって利益を得ていることが分かった。複数の植物種が同じ花粉媒介者ニッチを共有する場合、より希少な種は個体数の多い種が誘引する花粉媒介者から利益を受け、単独で生育する場合よりも同種花粉の受け取りが多かった。一方、より個体数の多い種にはそのような利得はなかった。これらの知見から、植物と花粉媒介者の相互作用は、種が豊富で開花期の重なる群落では希少な種に有利に働いており、顕花植物の多様性の維持に寄与する可能性があることが示唆された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度