Nature ハイライト

腫瘍生物学:皮膚がん構造の機械的調節

Nature 585, 7825

E Fuchsたちは今回、一連の実験的および数学的手法を用いて、2種類の皮膚がんで機械的力が構造を形成する仕組みを明らかにし、これが腫瘍形成を助けていることを示している。基底細胞がん(BCC)は、表皮から周囲の間質へと内部へ向けて簇出(浸潤)し、侵襲的となることはまれだが、扁平上皮がん(SCC)は、間質の中に折りたたまれるように入り込んで侵襲する。著者たちは、腫瘍前駆細胞の上と下の両方から加えられる機械的力が、腫瘍の構造を決定することを明らかにした。基底膜の軟化はBCCの簇出を促進するが、基底膜は維持される。これとは対照的に、基底膜の剛性が高まるとSCCの折りたたみが促進され、がんがより拡散しやすくなる。

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