Nature ハイライト

発生生物学:基底膜のリモデリングは胚発生に必要である

Nature 582, 7811

胚は、着床すると、必須のシグナル伝達機能を提供する基底膜に包まれるようになる。M Zernicka-Goetzたちは今回、Nodalシグナル伝達により活性化されたマトリックスメタロプロテアーゼの作用によって、原腸形成前にこの基底膜に穿孔が開くことを明らかにし、このリモデリングが胚の成長に必要であることを見いだしている。前後軸が確立されて、Nodalシグナル伝達が胚の後側に限定されるにようになると、後側でさらなるリモデリングが起きて原腸形成中に原条の伸長が可能になることが分かった。今回の研究は、モルフォゲンが初期発生中に基底膜リモデリングを調節して胚の成長を可能にする仕組みを明らかにしている。

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