Nature ハイライト

進化学:哺乳類では代謝率と体温は進化的には相関していない

Nature 572, 7771

一般通念では、体温の上昇は生化学的な反応を加速させると考えられている。これは、代謝率が体サイズの分数乗に比例するという説、そしてそこから派生した、生態学的パターンの多くが体温と体サイズとの関係に関係しているという説の基盤となっている。しかし、体温と代謝率は関連している必要があるとする基本的な前提を疑う者はほとんどいない。今回C Vendittiたちは、系統発生を考慮に入れると、体温と代謝率との間には相関が見られないことを明らかにしている。それどころか、哺乳類が低温環境に定着した際に、自然選択は、予想される熱力学的影響から離れるように基礎代謝率を調節したのである。

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