進化学:内温動物の進化において基礎代謝率と体温は本質的に独立していた
Nature 572, 7771 doi: 10.1038/s41586-019-1476-9
鳥類および哺乳類における内温性の起源は、脊椎動物の進化における重要な事象である。内温動物は、高い基礎代謝率(BMR)によって持続的に産生される熱を主に用いて、幅広い環境温度にわたり体温(Tb)を維持できる。内温動物にはまた、TbがBMRに影響を及ぼすという重要な正のフィードバックループも存在する。こうしたBMRとTbとの間の相互関係のため、生態学や進化生理学では広く、内温動物の放散においてBMRとTbが連動して進化し、類似の傾向を伴って変化したはずであると考えられてきた。しかし、過去のより低温の環境は、熱損失率の増大を補ってTbを一定に保つためにBMRに対して強い選択圧をかけたとも考えられる。このように、BMRの増大を介した低い環境温度への適応は、BMRとTbとを切り離し、異なる進化経路を経てこれらの形質に見られる現在の多様性をもたらした可能性がある。今回我々は、哺乳類系統樹の枝の約90%および鳥類系統樹の枝の約36%で、BMRとTbとが切り離されていることを示す。哺乳類では、BMRは方向性のある長期的な傾向を持たずに急激で爆発的な進化を遂げたのに対し、Tbはより体温の高い共通祖先からより低い体温へとほぼ一定の速度で進化した。一方、鳥類では、BMRは方向性のある長期的な傾向を持たずに主に一定の速度で進化したのに対し、Tbはより低い体温への適応進化を伴ってはるかに大きな速度で不均一に進化した。さらに、哺乳類の場合のみであるが、BMRの増大と低下の両方をもたらした急激な変化は、より低い環境温度への突然の気温変化と関係していた。今回の結果は、自然選択が、不利なことが多かった過去の多様な温度環境の下で、哺乳類のBMRにおける多様性を効果的に利用していたことを示唆している。

