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化学:ヘキサカルボニルシーボーギウムにおける相対論的効果による結合弱化の観測

Nature 658, 8135 doi: 10.1038/s41586-026-11105-2

フレロビウム(Fl、Z = 114)からオガネソン(Og、Z = 118)まで、最も重い5元素が発見されたことで、元素周期表の第7周期が完成した。超重元素(SHE、Z ≥ 104)では、それらの価電子殻に働く相対論的効果が強いことから、化学的性質が特異なものとなる。カルボニル錯体における金属–配位子結合の安定性も、こうした相対論的効果に左右されると予測されている。本研究で我々は、ヘキサカルボニルシーボーギウム(Sg(CO)6)錯体の安定性について、ガスクロマトグラフィーを用いた実験的研究を報告する。Sg(CO)6とヘキサカルボニルタングステン(W(CO)6)の生成収率の測定値から、Sg(CO)6の第一結合解離エネルギー(FBDE)の決定が可能になり、W(CO)6のFBDEよりも4(2) kJ mol−1小さい、188(9) kJ mol−1という値が得られた。従って、周期表第6族のヘキサカルボニル錯体で見られるFBDE値の増加傾向は、WからSgにかけて逆転する。我々の結果は、Sgの6d原子軌道(AO)の相対論的な不安定化に起因してW(CO)6からSg(CO)6にかけてFBDEが低下すると予測する、最先端の理論計算の結果と一致する。併せて、Sg(CO)6の金表面への吸着エンタルピーの値が45+4−6 kJ mol−1であることを報告する。

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