Article
材料科学:高移動度p型炭窒化ホウ素のウエハースケールでのエピタキシャル成長
Nature 658, 8135 doi: 10.1038/s41586-026-11047-9
二次元(2D)の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)技術の実現における長年のボトルネックは、高性能p型半導体の欠如にある。強い電子ドーピング傾向、軌道の局在化、顕著な正孔散乱が相まって、安定かつ高効率なp型2D材料の開発が妨げられてきた。本研究で我々は、炭窒化ホウ素(BCN)を高性能p型半導体としてエピタキシャル成長させる手法を報告する。我々は、モノメチルアンモニアボラン(MMAB)とアンモニアボラン(AB)の脱水素化経路および表面反応経路を設計することで、格子の均一性を損なう、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)原子の供給における空間的・時間的不整合という重大な障壁を克服した。その結果、ウエハースケールの単層2D BCNが得られた。この2D BCNでは、連続した結晶構造を持ちながら局所的にはひずんだ窒化ホウ素格子内で、C原子およびC二量体が主としてNサイトを置換し、1.90 eVという大きなバンドギャップをもたらした。p型BCN電界効果トランジスター(FET)のウエハースケールアレイは、100 cm2 V−1 s−1という電界効果正孔移動度、0.9 mA μm−1を超えるオン電流、108というオン・オフ比、−0.45 Vというしきい値電圧を示し、現時点で最先端のp型2D半導体をしのぐベンチマーク性能を示した。本研究の知見は、BCNがスケーラブルで安定したp型プラットフォームであることを確立し、相補型エレクトロニクスの三次元(3D)モノリシック集積化に向けた材料群における重大な空白を埋める。

