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老化:Lsp2はショウジョウバエの若齢期の食餌を成虫期の翻訳および寿命と結び付ける
Nature 658, 8135 doi: 10.1038/s41586-026-11031-3
約1世紀前、若齢期の食餌制限がラットとミジンコ(Daphnia)で寿命を延長することが示唆された。その後、幼若期の食餌が成体の生理機能と寿命に及ぼす影響は、ショウジョウバエ(Drosophila)やマウスを含む他のモデル生物でも報告されてきたが、その機構は依然として十分に理解されていない。本研究で我々は、ショウジョウバエをモデルとして、幼虫期のタンパク質摂取制限(若齢期タンパク質制限;ePR)が、貯蔵タンパク質の量を減らすことで成虫の寿命を延長することを示す。我々は、安定同位体追跡法を用い、幼虫期に食餌から得られたアミノ酸が成虫早期まで保持され、特にリボソームタンパク質に取り込まれることを示す。この過程は、主要な貯蔵タンパク質であるLsp2(larval serum protein 2)によって仲介され、その発現は、ePRにより成虫早期に持続的に抑制される。Lsp2の発現を遺伝学的に抑制すると、ePRの表現型が再現され、成虫早期のリボソームタンパク質量と翻訳活性が低下し、寿命が延長した。フェニルアラニンやチロシンなど、これらの貯蔵タンパク質に特に豊富に含まれる特定のアミノ酸を制限するだけで、若齢期のLsp2量が低下し、長寿が促進されることが分かった。これらの知見は、Lsp2が発生段階の移行を超えて栄養履歴を運ぶ分子であり、幼若期の栄養状態を成虫の翻訳能力と寿命に結び付けることを示している。今回の研究は、若齢期の食餌と生涯にわたる個体の健康をつなぐ、これまで認識されていなかった栄養記憶の機構を明らかにするものである。

