Article

計算生物学:単一細胞データにおける超高速かつ参照配列不要の配列探索

Nature 658, 8135 doi: 10.1038/s41586-026-10975-w

RNAの塩基配列、発現、スプライシング、アイソフォーム、構造、修飾に関する知識は、細胞過程を理解し、標的とする上で非常に重要である。例えばHuman Cell Atlasのようなコンソーシアムが活用する、革新的な単一細胞・空間トランスクリプトミクス技術は、この多様性を部分的に捉えて細胞プロファイルを生成し、それらは毎年ペタバイトスケールで増加している。しかし、研究者はこれらのデータセットについて横断的な配列検索を行うことはできない。標準的な解析パイプラインは、スケーリングに対応できないか参照配列に依存しており、保持される情報は遺伝子またはアイソフォームのカウントのみであるのに対して、生配列にアクセスするには、数百万の大容量ファイルを収集、ダウンロード、処理する必要があるためである。本研究で我々は、種にも参照配列にも依存せず、生配列データ空間を超高速で探索できる計算プラットフォームMalvaを提示する。Malvaは任意の配列、変異、スプライス接合部、病原体に加えて、任意の転写産物の空間的位置の検索を可能にする。拡大を続けるMalva Indexには現在、健康状態と疾病状態に関する数千の実験から得られた約7400万個の細胞が収録されている。Malvaは参照配列に依存しない発見を可能にし、例えば研究者は、配列組成から直接、細胞タイプを同定し、細胞間の類似性を予測できる。我々はMalvaの速度と精度を基に、最先端のニューラルネットワークに柔軟に接続する方法と、複雑な検索を実行して解析の自動化を可能にする方法を実証する。Malvaは、単一細胞アトラスを静的な遺伝子カウント表から、配列レベルの情報を備えた動的な情報資源へと変え、生物学に関する人間と機械の推論を橋渡しするのに役立つ可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度