量子情報:シリコン中の可動スピンキュービットを用いた2キュービット論理とテレポーテーション
Nature 653, 8114 doi: 10.1038/s41586-026-10423-9
量子コンピューティングアーキテクチャーのスケーラビリティーと能力は、高忠実度の操作とロバストで柔軟なキュービット接続性に決定的に依存している。この点で、可動キュービットは、動的で再構成可能なキュービットアレイを可能にするため、特に魅力的である。この手法によって、量子プロセッサーは、操作中にその接続パターンに適応し、同一ハードウエア上で異なる量子誤り訂正符号を実装し、測定やエンタングルメント生成などの特定の操作向けの専用機能ゾーンを通してリソース利用を最適化することが可能になる。また、そうした柔軟性は、捕捉イオンや、光ピンセットを用いて操作された中性原子に基づく原子系において最近実証されたように、アーキテクチャー上の制約も軽減する。固体プラットフォームでは、電子スピンの高度にコヒーレントなシャトリングが最近報告された。鍵となる未解決問題は、可動スピンに対して量子ゲートが直接実行できるかどうかである。今回我々は、単一半導体デバイス中の別々の移動ポテンシャル極小に保持され、互いに近づけられる2つの電子スピンの間で、2キュービット操作を実証した。我々は、相互作用の強さが、それらの空間的隔たりによって高度に調整可能であることを見いだした。2つのスピンを中心に向かってそれぞれ120 nmシャトリングさせ、総変位を240 nmとすると、平均2キュービットゲート忠実度は約99%に達した。さらに、320 nm離れたキュービット間で、条件付き事後選択量子状態テレポーテーションを87%の平均ゲート忠実度で実装したところ、非局所量子情報処理に向けた可動スピンキュービットの可能性が示された。我々は、可動キュービット上での動作が、将来の大規模半導体量子プロセッサーの普遍的な機能になると予想する。

