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植物科学:イネにおいてSnRK1β1Aの不活化は広範な病害抵抗性を促進する

Nature 653, 8114 doi: 10.1038/s41586-026-10273-5

イネは世界人口の半数以上が主食とする作物であり、その持続可能な生産は世界の食料安全保障を確保するのに不可欠である。しかしイネは、イネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)によるイネいもち病、リゾクトニア属菌Rhizoctonia solaniによるイネ紋枯病、稲こうじ病菌(Ustilaginoidea virens)による稲こうじ病、ビポラリス属菌Bipolaris oryzaeによるイネ褐斑病、イネ馬鹿苗病菌(Fusarium fujikuroi)によるイネばか苗病、フザリウム属菌Fusarium graminearumによるイネ赤かび病など、いくつかの深刻な真菌病に感受性である。これらの真菌病に対する感受性の根底にある機構は明らかになっていない。今回我々は、SnRK1のβサブユニットであるSnRK1β1Aが、これらの真菌病に対して広範な感受性を付与することを報告する。我々の知見から、イネの多様な病原性菌類が、エフェクター様タンパク質Gas2を収斂進化させてきたこと、また、Gas2はSnRK1β1Aと相互作用して、そのユビキチン化による分解を防ぎ、核内移行を促進することが示された。SnRK1β1Aは、真菌感染の際に顕著に誘導され、SnRK1のαサブユニットであるSnRK1α1(イネにおいて広範な抵抗性を正に調節することが知られている)を阻害することで感受性を促進する。注目すべきことに、SnRK1β1Aを破壊したイネ系統は、通常の農業条件下の圃場で、生育や収量を低下させることなく、いくつかの真菌病に対して抵抗性を示した。本研究は、作物における広範な病害抵抗性が、いくつかの病原体にわたり保存されているエフェクターが標的とするタンパク質をコードする誘導可能な感受性遺伝子の破壊によって達成できることを実証している。

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