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がん治療:プロテアソームによって誘導されるヘムシグナル伝達軸はT細胞疲弊に関与する
Nature 653, 8114 doi: 10.1038/s41586-026-10250-y
脱分極したミトコンドリアの蓄積はT細胞を疲弊へと向かわせるが、その正確な機構はまだ明らかになっていない。今回我々は、疲弊CD8+ T細胞が、脱分極したミトコンドリアの蓄積によってプロテアソーム活性を上昇させ、これがミトコンドリアタンパク質の選択的分解やヘムタンパク質分解による調節性ヘムの放出を駆動することを見いだした。その結果、増加した調節性ヘムがBACH2を介する転写調節を障害し、それによってT細胞疲弊が悪化して、幹細胞様の性質が損なわれた。調節性ヘムの核移行を阻害すると、BACH2の分解が抑制され、抗原特異的T細胞の抗腫瘍効果が増強した。我々は、B細胞急性リンパ芽球性白血病患者におけるヒトCD19+キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の治療効果が、それらのCAR-T細胞のプロテアソーム遺伝子シグネチャーと負に相関することを見いだした。FDAに承認されているプロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブの存在下でCAR-T細胞を作製することで、T細胞疲弊が抑制され、治療効果が向上した。我々の結果は、ミトコンドリアの完全性が規定しているプロテアソーム誘導性のヘムシグナル伝達軸がCD8+ T細胞疲弊の調節因子であることを明らかにし、この経路を利用して養子細胞免疫療法を最適化する革新的な治療戦略を提案するものである。

